読書記録 『トッケイは七度鳴く』

2025年の読書記録

メルボルンに留学中のはなまるです。留学もオーストラリアも関係ないですが読書記録を。

概要

トッケイは七度鳴く(Kindle版)
宮内見
日本橋出版

あらすじ

第二次世界大戦中のビルマ(現在のミャンマー)を舞台にした作品です。主人公の放送作家・誠太郎は、亡き祖父の遺品から一冊の手記を見つけます。その手記には、祖父が戦時中にビルマで出会った慰安婦・夏子への想いが綴られていました。また、現代の誠太郎は娘がアメリカで差別を受けたことをきっかけに、慰安婦問題の真実を探求し始めます。過去と現在、二つの時代を通じて、戦争の影響や家族の絆、そして歴史の真実に迫るフィクションです。

感想

「ラスト20ページの衝撃!!!」の謳い文句に誘われて読んでみました。主人公の祖父や、彼と共に戦った仲間たちの会話や描写に惹き込まれ、大変な中でも絆や友情を築く日本兵たちの姿に悲しくもほっこりとしました。そして本書のメインである日本兵と慰安婦の恋はとても純粋なもので、恋愛に時代や環境は関係ないと感じました。一つの純愛が世代を超えて明らかになり、現代を生きる登場人物たちを繋ぐシーンには心があたたかくなりました。戦争に関する本はほとんど読んできませんでしたが、自分の国の歴史を知るためにも積極的に読んでいきたいと思いました。